専門用語は、全くの造語の場合もあるけれども、大抵は日常用語を転用したものであり、言葉自体としては日常用語と同じものである場合が大半である。しかし、同じ言葉であっても、専門用語として用いられているときには、日常用語としての用い方とは意味内容ないしは定義が異なることは理解しておかねばならない。 例えば、弁証法関連の用語にアウフヘーベン(aufheben)というのがあって、日本語では止揚(しよう)と訳したりしている。日常用語としてのアウフヘーベンは、棚の上にものをのせるといった意味でも用いられる。しかし、「止揚する」というのは、「棚の上にものをのせる」という意味ではない。 経済用語に関しても、日常用語を転用したものが多い。ただし、やはり同じ言葉でも、意味内容や定義は異なることが少なくない。とくに留意すべき例として、「貯蓄」という用語がある。経済用語としての貯蓄は、「可処分所得(税引き後の実際に使
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