アベノミクスの3つの矢のうちの中心の矢となるのが、大胆な金融政策であり、これは次元の違う金融政策とも呼ばれている。3月20日からは新たな日銀の船出となるわけだが、かなり期待先行の部分も大きい。今回はその期待を削ぐわけではないが、次元の異なる金融政策と呼ばれているものの矛盾点をなるべくわかりやすく解説してみたい。 大胆に違う金融政策と言うものの、新総裁候補の黒田氏や副総裁候補の岩田氏の発言を確認する限り、現在と次元はあまり違うものではなさそうである。あえていえば白川総裁がやや控え気味であったアナウンスメント効果を意識し、期待に働きかけようとしている点が大きく異なる程度とみられる。 金融政策についてはすでに日銀は2%の物価目標を導入しており、それを達成するための手段が求められる。その手段として、日銀が基金により買い入れている国債の年限長期化、通常の買入と基金による国債買入の統合、それに伴う銀行