自由恋愛の時代にモテる秘訣 1970年にエリック・ウェバーが“How to Pick up Girls!(女の子をピックアップする方法)”を出版し、Pickup(ナンパ)という言葉を定着させた(※1)。 それから30年後、30代前半の音楽ライターであるニール・ストラウスはこの神話的人物に会いにいった。ウェバーは広告のクリエイターとして成功し、ナンパ本を書いた頃に知り合った女性と結婚して、2人の娘のいる家庭を築いていた。 ウェバーがナンパ術を会得しようとした背景には、60年代アメリカの大きな文化的変化があった。 それまでは、若者たちは教会の集まりのような地域のコミュニティで相手を見つけ、結婚していた。ところが60年代になると、大学進学や就職で親元を離れ、都会で一人暮らしをするようになる。女性たちはピルを飲みはじめ、カウンターカルチャーやヒッピー・ムーブメントが社会を揺るがせ、カジュアルセック