人間の死亡率は100%です。誰も死を免れるものはいません。 しかしそこから、誰もがひとしなみに死ぬのだからいつ死ぬかとかどう死ぬとかは問題とはならない、とは私には思えません。むしろ死が誰にでも来るものだからこそ、生きる時間というものは限られていて、限られたものだからこそそれは貴重なのだと感じます。 人の命を奪うということは、その限られた貴重な生の時間を奪うということです。そこにその貴重さに伍す真っ当な「対価」がない場合、私たちはやりきれない喪失感を感じるのでしょう。 無駄な死などないと思いたいのですが、突然わけのわからない者から殺されてしまうという事態に際しては「対価」としての意味を見出すのがかなり困難です。 死を迎えた方にとってはその死がどう意味づけられるかが問題となるかどうかわかりませんが(未知生、焉知死)、少なくとも残されたものにとってはその死に意味があって欲しい、「対価」があって欲