■日米欧 観測プロジェクト 宇宙が誕生した137億年前の姿を日米欧共同で観測し、謎を解明しようという「アルマプロジェクト」が平成24年、南米チリで本格実施される。その心臓部である電波望遠鏡のアンテナを三菱電機が受注し、中小企業80社の協力を得て兵庫県高砂市の協力工場で製造中だ。昨年の小惑星探査機「はやぶさ」の帰還など宇宙開発への期待が膨らむ中で、日本の町工場が誇る金属加工や組み立て技術が世界最大の宇宙観測プロジェクトに挑む。 プロジェクトは、日米欧が共同で、パラボラアンテナ66台を並べた電波望遠鏡をアンデス山中にある砂漠地帯に設置する。このうち、日本が担当する16台を三菱電機が製造する。 三菱電機は平成17年から設計を開始し、1台当たりの設計図の数は、8千枚にも及んだ。1台100トンの重さの巨大アンテナを6千分の1度の角度で動かし、大阪市内に置いた一円玉を東京から判別できる精度が求められる