2月のイランの選挙は、オバマ外交の勝利であった。この選挙ではイランの国会議員と専門家会議の委員を選ぶ投票が行われた。どちらの選挙でも保守派が後退し、穏健派が議席を増やした。なぜ、これがオバマ外交の勝利なのだろうか。 この選挙は、核問題にかんする包括的な合意が、P5プラス1とイランとの間に2015年7月に成立して以降の最初の民意を問う機会であった。P5というのは国連安全保障理事会の常任理事国5カ国(アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国)をさす。常任というのは英語でパーマネントpermanentなので、その頭文字を取って、この5大国はP5として、言及される。そしてプラス1というのはドイツである。第2次世界大戦以前から多くのイラン人がドイツに留学したという歴史があり、両国関係は思いのほか深い。 02年にイランで核開発が行われている事実が知られるようになって以来、同国と国際社会はきびしく対立