9月初旬イスラエルの前大統領で元首相のシモン・ペレスが、ローマ法王フランシスコとの会談で「宗教の国連」の創設を提案して注目を浴びた。ローマ法王庁によれば、宗教対立などの問題を対処する「国連形式の組織」をペレスが提案した。この提案が実現するかどうかは不明だ。 そもそも、こうした組織が望ましいのかも疑わしい。というのは、一つには、こうした宗教間の対話組織はすでに存在するからだ。また、イランのモハマド・ハタミ元大統領が在職中に「文明の衝突」ではなく「文明間の対話」を訴え、国連総会が2001年を「文明間の対話の年」と宣言している。にもかかわらず、世界では紛争がつづいている。 もっと重要な点は、宗教紛争とされる世界の多くの問題は、宗教をめぐっての争いではない。パレスチナ問題がその最たる例である。だれもユダヤ教が正しいとか、イスラム教が正しいとか言い争っているのではない。問題は土地争いである。宗教を強
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