イカナゴの新子漁が11日、播磨灘で解禁された。漁獲量は少なく、初競りでは過去にないほどの高値がついた。近年の深刻な不漁から大阪湾では先んじて今季の休漁が決まっており、播磨灘の漁業者たちも同日、今季の漁を終えると決めた。関係者らは漁や食文化の先行きを懸念する。(熊谷姿慧、鈴木春香) 11日午前、明石市の林崎漁港に戻った船から、イカナゴ計20かごが積み出された。1かご25キログラムのイカナゴについた値段は約17万円。漁協によると林崎での過去最高値とみられる。 昨年は約9万円。競りに参加した仲買人の一人で水産仲卸会社社長の鶴谷真宜さん(44)は「聞いたことのない価格。安くておいしい庶民の魚が高級魚になってしまった」と嘆いた。 価格が高騰したのは、播磨灘…