葬式は、要らない 2025.07.06 公開 ポスト 「戒名」があるのは日本だけ 他の仏教国では通じない「死後の名前」のナゾ島田裕巳(作家、宗教学者) 葬式に200万円――そのお金、本当に「必要な弔い」のために使われていますか? 宗教学者・島田裕巳さんが日本人の死生観や葬儀の歴史をたどりつつ、葬式の「常識」を根本から問い直すベストセラー『葬式は、要らない』より、一部を抜粋してお届けします。 日本にしかない戒名 仏教界で戒名についてどういう説明がなされているのかを見ていきたい。実は、そこからして大きな問題がある。 そもそも宗派によっては戒名を「法名」や「法号」と呼ぶ。浄土真宗は法名である。そこには、宗派の特殊性がからんでくるが、その点については後で説明を加えることとし、これからの記述では、戒名に統一する。 たとえば、日本仏教の中心的な宗派である天台宗の天台宗務庁では『葬式と戒名のつけ方』とい
