「立つ鳥跡を濁さず」という教訓を誰しも聞いたことがあるはずだが、俺にはそれが出来なかったことがある。 そのために自分にも周りにも遺恨を残し、ぎくしゃくした関係だけが残った。 時間を巻き戻したら違う行動を取るかと言うとわからないが、表面的にはもっとうまいやり方をすれば自分も周りも楽だったのではないかと思う。 この本を読んで思い出したのはそういうことだ。 著者の岩淵聡は2000年代の日本代表テニス選手。 全日本選手権のタイトルホルダーでもあり柳川高校時代にはインターハイ制覇などしたテニスプレイヤーで、ポスト松岡修造として期待された面々のうちの1人だ。サウスポーから繰り出される角度のあるショットと確実性の高いネットプレーで特にダブルスで個性を発揮し、2005年には鈴木貴男と組んだジャパン・オープンのダブルスで日本人初のグランプリ優勝を飾ったことがキャリアのハイライト。 そんな岩淵が引退後に書いた