2019年5月、アメリカ、フィリピン、インドの各海軍と南シナ海で共同訓練を行った日本の自衛隊。共同作戦時には、信頼関係と情報共有が重要な意味を持つ。 Japan Maritime Self-Defense Force/Handout via REUTERS 世界の国々はいずれも、自国の安全保障にとって脅威となる国やテロ組織などに関する軍事的な情報を集めている。 しかし例えば、同じ脅威にさらされている国同士であれば、互いの持つ情報を教え合うことで、それぞれの安全保障を強化することができる。あるいは、共同で脅威に対処できれば、さらに有利になるだろう。 しかし、相手国に渡した情報を外部に漏らされるようなことがあっては困る。そのため、秘密指定の軍事情報についてはしっかりと秘匿し、外部に漏らさない措置をとることを、互いに約束する必要がある。そこで結ばれるのがGSOMIAだ。 GSOMIA自体は、共有
朝鮮人徴用工にまつわる右派の誤解を正す 供与された3億ドルは「ひも付き」だった 杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史) 河野外相こそ無礼。日韓関係を考える最低限の条件 元徴用工への補償は日韓請求権協定があっても可能 強制的な労務動員――日本政府の異常な横やり 韓国人元徴用工がおこした裁判に関する韓国大法院判決(2018年10月)についてはいろいろ語られるが、「徴用工」について見られる誤解を正しておきたい。 「徴用」は、狭義には1944年の「国民徴用令」によって実施されたが、1939年の「募集」方式、1942年の「官斡旋」方式の場合も、強制的な「労務動員」が行われたことは、日本側の証言にも見ることができる(文京洙他『在日朝鮮人――歴史と現在』岩波新書、68頁、水野直樹他『日本の植民地支配――肯定・賛美論を検証する』岩波ブックレット、40頁、徐京植『皇民化政策から指紋押捺まで――在日朝鮮
Moon Jae-in the 19th President of Republic of Korea(Jeon Han, Ministry of Culture, Sports and Tourism Korean Culture and Information Service) , Illustration by The HEADLINE 国際芸術祭『あいちトリエンナーレ2019』の企画「表現の不自由展・その後」をめぐって、現在も議論が続いている。混乱の発端には、平和の少女像の存在もあった。 一部の政治家は、平和の少女像が展示されることを批判しており、たとえば松井一郎大阪市長は「我々の先祖がけだもの的に取り扱われるような展示物を展示されるのは違う」と述べ、河村たかし名古屋市長は「日本国民の心を踏みにじる行為」として展示の中止を求めた。 こうした言説は今にはじまったことではないが、改めて
2017年5月、大統領府での昼食会で文在寅大統領(左)と昼食をとる民情首席秘書官時代のチョ・グク氏(写真:YONHAP NEWS/アフロ) 韓国社会では、8月15日を境に、あれほど沸き上がっていた「不買運動」や「日本経済報復」についての関心が次第に薄れていっているような気がする。「リトル文在寅」と呼ばれる元大統領府の民情秘書室長で、現在は法務部長官内定者であるチョ・グク氏をめぐる不正疑惑が次々と浮上し、韓国国民の怒りの矛先が日本ではなく文在寅政権に向かっているからだ。 チョ・グク氏周辺は「疑惑の山」 チョ氏は、文政権誕生直後から2年半も大統領府秘書室の民情首席秘書官を務めてきた人物。民情首席秘書官とは、政府高官の監視と司法機関を統括するポストで、政府高官や大統領の親戚など、権力層に対する捜査や、組閣のための候補者推薦と人事検証などを主要業務とするだけに、大統領府秘書官の中でも大統領と最も近
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