今週の『週刊東洋経済』にも紹介されているように、当ブログの当初の目的は読書の感想や思いつきをメモすることで、それは今でも変わらない。本書も専門的なので、一般のビジネスマンにはおすすめできないが、研究者には参考になるので、簡単にメモしておく。 本書は、Baumolの"The Free-Market Innovation Machine"をめぐって開かれた会議の記録だ。おもしろいのは、Solow, Arrow, North, Phelps, Blinder, Shiller, Malkiel...という錚々たる執筆者が、一致して「経済成長にとってもっとも重要なのはイノベーションだ」と認めていることだ。 Arrowも指摘するように、イノベーションは技術的な「発明」のことではない。紙も火薬も活版印刷も中国で発明されたが、新しい産業を生み出すことはなかった。Schumpeterは、イノベーション
「3の倍数と、3のつく数字の時だけアホになります」という"世界のナベアツ"のネタが小学生の間で流行って、先生達が困っているという。算数の授業で、3の倍数と3のつく数字が出る度に、子供達が一斉に「アホ」になるので、授業にならないのだという。どの程度本当か知らないが、多少はそのようなことが起こりうるだろうし、これに対処できないようでは、教師のスキルが低いというべきだろう。 気になるのは、ナベアツが表現する「アホ」の内容だ。ピン芸人ナンバーワンを決める「R1グランプリ」の録画を見てみた。 ナベアツが演じるアホは、目の玉のひっくり返し気味に視線を泳がせつつ、顔の一方を引きつらせる表情が基本で、さらに、手足をぶらぶらさせて「アホ」を強調することがある。表情と形でシンプルに笑いの刺激を与えつつ、算数との組み合わせた意外性があり、繰り返しのリズムが癖になる、なかなか洒落たネタなのだが、ナベアツによる「ア
神州の泉様、ミクロネシアの小さな島・ヤップより様、こわれたおもちゃをだきあげて様、高原千尋の暗中模索様、空に向かって様、オホーツクの詩季様、貴重なご高見、ならびに記事の紹介ありがとうございました。深く感謝申し上げます。 自民党内の政策論争が激化しているように見える。「財政再建派」と「上げ潮派」の意見対立である。 福田首相に対する問責決議案が憲政史上初めて参議院で可決され、有権者の多数が衆議院の解散総選挙を求めている。マスメディアが国民世論を尊重して、解散総選挙を求める論調を強めれば、政治は国民の意思を問う総選挙に向かう局面だ。 しかし、マスメディアは解散総選挙を求める論陣をまったく示していない。政治権力は現時点での総選挙を封印しようと強い意志を持ち、政治権力に支配されたマスメディアは政治権力の意向を代弁して、解散総選挙への流れを阻止するための情報操作を実行している。 自民党は次期総選挙まで
今月のThe Atlanticのカバーストーリーは、ニコラス・カーの"Is Google Making Us Stupid?"。内容はグーグルだけでなく、コンピュータやネットワークが人間の思考様式をどう変えるかという話だ。 読み書きは人間の本能ではなく、教育によって身につける能力なので、その過程は脳に影響を及ぼす。これまでは本や論文で長い文章を読むのが普通だったが、コンピュータによって画面を「ブラウズ」するようになり、情報が断片化している。またデータを忘れても、検索エンジンで入手できるようになったので、記憶力が減退する可能性がある。 こうした変化は、古くからあった。ソクラテスは、「文字に書くと、人々は内容を忘れてしまう」と書物を記さなかった。ホメロスの叙事詩もギリシャ悲劇も、暗誦して伝えられたものだ。韻文は、その記憶を容易にするための技法だった。グーテンベルクが活版印刷を実用化したとき
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く