その日は冬の行事で、5・6年生が学校にいない日でした。 給食を食べ終わって、図書館にもどると、ひとりの図書委員の男子がカウンターのいすに座っていました。 上も下も迷彩柄の服を着ていて、同じクラスの子に「自衛隊みたい」となかなか上手いこと表現されているクリボーズくんです。 「あれ、○○ちゃんと△△ちゃん(ふたりとも図書委員)は?」 クリボーズくんがききました。 「見てないよ」 「おっかしいなあ。先行くって言って出てったのに」 その後、廊下から足音が聞こえると、クリボーズくんは急いでカウンターのかげにかくれました。 その俊敏な姿たるや、まさに自衛隊員のごとし。 女の子たちがドアを開けて入ってくると、ひとりの女の子はこっちがびっくりするくらいのおすまし顔でクリボーズくんをスルーしていきました。 そして、もうひとりの女の子は、 「ぎゃあっ!」 というさけび声を上げ、泣き笑いの表情でクリボーズくんか
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