男の子は社会的に作られる では、レッド・ツェッペリンみたいにならないためにはどうしたらいいのだろうか。そうした関心に応えてくれるのが、「グッド・タイムズ・バッド・タイムズ」の冒頭とほとんど同じ問いをタイトルにした、レイチェル・ギーザ『ボーイズ――男の子はなぜ「男らしく」育つのか』(冨田直子訳、DU Books、2019)だ。 この本の原題はBoys: What It Means to Become a Manで、「男の子――一人前の男になるとはどういうことか」といったような意味だ。これは女親ふたりで息子を育てるフェミニストのギーザが、息子と男子文化とのかかわりについての不安を出発点に、母として「男であることの意味を再考し、つくり変えていくにはどうするべきか」(p. 21)考えた本だ。 「はじめに」でギーザが述べているように、男らしさには「身体的な攻撃性、性的な支配性、感情的にストイックで、