日本原子力研究開発機構(JAEA)は、電子部品のインダクターを従来の1万分の1に小型化できる新原理を考案した。「トポロジカル絶縁体」と「磁性絶縁体」という2種類の絶縁体を組み合わせて「絶縁体インダクタ」と呼ぶインダクターを構成する。従来のインダクターと同等の電力効率を保ちながら小型化できるため、将来的に電子機器の高性能化につながるとの期待がある。 現在のインダクターは、導線を何重にも巻いたコイルが一般的で、小さな素子でも厚さが0.1~1mmほどあるため、これが電子回路の小型化を阻む要因となっていた。今回、研究チームは、トポロジカル絶縁体と磁性絶縁体の薄膜を積層してインダクターを構成。従来の1万分の1となる、厚さ10nmほどの絶縁体インダクタとなることを見いだした。約10Hz~10GHzの広い周波数領域で動作するという。 トポロジカル絶縁体は、内部が絶縁体でありながら表面だけに電気を通す性質