朝日新聞が5月20日付朝刊で「吉田調書」をスクープしてから10日が過ぎた。朝日は通常の紙面で連日の特集を組んだほか、デジタル版で特設ページ(http://www.asahi.com/special/yoshida_report/)を設けるなど大々的に続報を放った。 吉田調書には衝撃的な内容が含まれている。東日本大震災の4日後、東京電力福島第一原発にいた所員の9割が待機命令に違反して現場を離れていたのだ。政界でも調書の公開を求める声が広がっている。メディア全体も大騒ぎしているのだろうか。 ニュースの価値判断は関係ない? 現状は大騒ぎとは正反対だ。朝日を除けば閑古鳥が鳴いている状況である。 全国紙5紙(読売、朝日、毎日、日本経済、産経)を見てみよう。5月20日以降、朝日が1面も含め吉田調書関連報道を全面展開しているなか、他紙は申し訳程度に吉田調書に言及している。29日までの記事数は全体で5本に