「事故に学ぶ姿勢足りず」=新規制は「ハード偏重」−班目氏〔東日本大震災3年〕 インタビューに答える班目春樹元原子力安全委員長 東京電力福島第1原発事故から3年を迎えるのを前に、原発の安全規制を担う原子力安全委員会(廃止)のトップとして対応に当たった班目春樹元委員長が時事通信のインタビューに応じた。班目氏は緊急時の情報伝達に大きな問題があったと振り返り、後を継いだ原子力規制委員会が進める安全規制について「ハードウエア偏重で、事故に学ぶ姿勢が足りない」と懸念を示した。 −事故対応の問題点は。 指揮命令系統がマニュアル通りに動かない中、それぞれが自分の役目を認識できず右往左往してしまった。非常時は臨機応変にやらざるを得ないが、そのことが伝達できていなかった。緊急時の情報のやりとりの仕方も徹底的に反省し、訓練を積み重ねないと駄目だ。 −当時、最悪の事態をどこまで想定したか。 (2011年)