■奇妙な中国の政権交代 中国共産党は現在、習近平主席・李克強首相体制ですが、この国の政治体制は実に奇妙でわかりにくいことが多くあります。一昨年に行われた“奇妙な政権交代儀式”を枕に説明したいと思います。 習・李体制は少なくとも、「1期5年間」の任期で中華人民共和国の政府として内外に君臨するわけですが、それ以前の胡錦濤、江沢民両政権が、それぞれ2期・10年ずつリーダーを務めてきたのに、なぜ習政権も2期・10年でないのか、との疑念を抱かれる方も多いでしょう。疑問を解消するには、習・李体制誕生時の政変に隠された背景を読み取る必要があると思います。 まずは中国経済が過去20年続いた高度成長の減速がすでに始まったのではないかという景況問題、その結果生じた貧富格差、都市と地方の格差の異常な拡大と一般民衆の憤懣(ふんまん)の暴発度合いといった内政課題があります。加えて、一方的に市場を荒らされた欧米先進国
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