DNA型鑑定で血縁関係がないことが明らかになった場合に法律上の父子関係を取り消せるかが争われた2訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は6月9日に弁論を開くことを決めた。鑑定結果などを根拠に父子関係を取り消した1、2審判決が見直される可能性がある。 弁論が開かれるのは関西と北海道の2訴訟。いずれも母が子の代理人となり、夫との父子関係が存在しないことの確認を求めている。子の出生時、母と夫は婚姻していたが、DNA型鑑定の結果、別の男性との生物学上の父子関係が「99・99%」とされた。1、2審は父子関係を取り消し、夫側が上告していた。 民法は772条で「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」(嫡出推定)と定めている。嫡出推定を覆すには、嫡出否認の訴えを起こす必要があるが、訴えを起こせるのは夫だけで、提訴期間も「子の出生を知ったときから1年以内」に限られる。 判例では、夫が遠隔地で