兵庫県西宮市で7月22日に開催された全国再エネ問題連絡会第二回全国大会では、山梨大学名誉教授の鈴木猛康氏が「増災――日本列島崩壊に至る再エネ開発」と題する基調講演をおこなった。以下に講演要旨を紹介する。鈴木氏は防災科学技術研究所を経て山梨大学教授となり、退官後の現在は特定非営利活動法人・防災推進機構の理事長を務めている。なお、今回の講演の内容は鈴木氏の著書『増災と減災』(理工図書)で詳しく展開されている。 ** ** ** 「増災」という言葉は初めて聞かれた方が多いのではないか。「減災」というのは聞いたことがあると思う。1995年の阪神淡路大震災の後、当時京都大学教授であった河田恵昭先生が提唱されたもので、大震災のような自然災害の発生を防ぐことは難しいため、災害は起きるという前提のもとで、被害をいかに軽減させるかが重要との考えで、減災の方法が提案された。 これに対して「増災」とは、災害