藤沢市教育委員会は28日の定例会で、来春から市内のすべての市立中学校で4年間使う歴史と公民の教科書に「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社版を採択した。同社版は県内初。 採択は合議制で行い、4委員と委員長の計5人で審議。4人のうち佐々木柿己教育長は、歴史・公民の審査で「教育現場の担当者として意見の食い違う教科書が選ばれることは現場に混乱をもたらす。議論を見守りたい」などと事実上棄権し、意見を述べなかった。 歴史・公民の審議は、いずれも七つの出版社の教科書を検討。小澤一成委員長、赤見恵司委員、藤崎育子委員が育鵬社版を推し、渋谷晴子委員は別の歴史・公民教科書を推した。 小澤委員長は育鵬社の歴史教科書について「登場する人物が一番多い」、赤見委員は「読み物風のコラムがあり親しみやすいこと」などを採択理由に挙げた。これに対し、渋谷委員は「過去の戦争に対する反省がおざなりになった内容。藤沢市の