高校野球は特別か否か――。新型コロナが流行してからというもの、高校野球開催の是非を巡り、この問いを何度見聞きしたことだろう。 そして、いつも困惑した。 「特別」を辞書通り「普通一般とちがうこと」(広辞苑)と解釈するなら、聞くまでもない。特別だ。主観ではなく、事実が物語っている。集客力や大会規模を見れば明らかだが、学生スポーツでこれだけお金と人が動く大会は世界でも稀だろう。 つまり、何を問いたいのかがわからないのだ。 さらに困惑したのは「高校野球を特別扱いするのか」という類のものだ。主語が抜けている。批判どころか、日本語にすらなっていない。 それぞれの組織が自分で判断するのが公平。 たとえば、高校野球も高体連に属していて、高体連が高校野球以外は夏の大会は中止にし、高校野球のみ開催すると判断を下したとしよう。その場合、高体連に対し「高体連は高校野球を特別扱いするのか」と抗議するのなら理解できる