最初から返すつもりはない 「既存の暴力団のシノギはほとんどできなくなりました。いまや福島第一原発への作業員派遣におけるピンハネや中小企業への支援金を騙し取ることくらい。覚せい剤の売買やノミ行為でしのいでいる組もあるようですが、いずれだめになるでしょう」 ノンフィクション作家の溝口敦氏が分析するように、暴排条例の施行で暴力団のビジネスは大打撃をうけた。 「キャッシュで全額支払うと言っても、ディーラーが車を売ってくれなくなった」(暴力団幹部)、「兄弟分が市営住宅から追い出された」(元組員)と、暴力団を表社会から締め出す動きも出ている。 だが、行き場を失った暴力団は、その手口をいっそう巧妙化させ、それとはわからないように市民生活に入り込んでいる。 現役の暴力団組員が金儲けの手口の一端を明かす。 「人気の犬や猫をブリーダーから安く買ってペットショップに転売したり、山の一部を買い取ってヤードにして、