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前回は、日本のDRAMがなぜ世界シェアNo.1になれたのか、そして、なぜその座から陥落したのかを説明した。 PC用DRAMを安く大量生産する韓国などにシェアで抜かれた日本半導体産業の言い分は、「経営、戦略、コスト競争力で負けた」「技術では負けていない」という2言に集約された。果たしてその言い分は正しいものだったのだろうか。 「技術では負けていない」という評価は、ある意味では正しい。なぜならば、高品質DRAMを生産する技術では、確かに韓国や米国に負けていなかったからである。つまり、高品質DRAMにおける過去の成功体験が、日本半導体のトップたちが声高に「技術では負けていない」と主張する背景にある。 このようなことが、本連載の第1回で紹介したように、少しでも日本半導体の技術にケチをつけると、「湯之上の言うことは全て間違っている」というような罵倒が飛んでくる原因となったのである。 しかし、この成功
2009年8月に『日本「半導体」敗戦』(光文社)を出版したところ、極めて大きな反響があった。この本で記した日本半導体産業が凋落した原因と、そこから得られる教訓、復活への処方箋などを、より多くの人に知っていただきたい。そこで本コラムでは、『日本「半導体」敗戦』の内容を改めて整理すると同時に、出版時に盛り込めなかった話、最新情報などを加えて皆さんにお伝えする。 前回は、半導体技術者への聞き取り調査などをもとに、日本半導体が「過剰技術で過剰品質を作る病気」にかかっている根拠を具体的に示した。 では、日本半導体は、いつ、どうして、このような病気にかかったのだろうか? 今回は、前篇・後編の2回に分けて、日本半導体(特にDRAM)の栄枯盛衰の歴史を振り返り、「過剰技術で過剰品質を作る病気」の根源を突き止めたい。病気の感染源を特定することにより、最適な治療方法が判明すると思われるからだ。 前篇では、まず
図●改定で特に変化が大きかった箇所 共通鍵暗号(64ビット・ブロック暗号、128ビット・ブロック暗号、ストリーム暗号)のカテゴリは、改定前には多くの国産暗号がリストに掲載されていたが、それらの多くが改定で落とされた。ハッシュ関数は、安全性に問題がある二つの方式が削られている。(日経エレクトロニクス2013年4月15日号p.11から抜粋) 電子政府で用いる暗号方式を評価・調査するプロジェクトであるCRYPTRECが公開している「電子政府推奨暗号リスト」が10年ぶりに改定された(Tech-On!の関連記事)。同リストは、日本政府が電子システムを調達する際に使用を推奨する暗号方式を示すもの。技術的に安全性が確認された暗号方式を政府が示す役割も担っている。いわば“日本の標準暗号”を示すリストだ。 今回の改定では、2012年春に予告された通り、リストから多くの国産暗号が消えた(Tech-On!の関連
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