◇博物館保存目指し募金 国鉄・足尾線時代に「タキさん」の愛称で親しまれていた濃硫酸輸送のためのタンク車が、日光市足尾町掛水のわたらせ渓谷鉄道足尾駅に里帰りした。7日にお披露目される。旧足尾銅山のトロッコ列車保存を目指す足尾駅博物館準備室の取り組みで、同準備室では、車両輸送や展示保存のための費用に充てようと募金を呼びかけている。【浅見茂晴】 ◇80年製造の「タキ29312号」 タンク車の正式名称は「タキ29312号」。足尾銅山で銅を精錬する際に回収される濃硫酸を輸送するため、国鉄時代に足尾駅で停車していた姿がよく見られた。 里帰りした車両は80年の製造。89年の足尾線廃止で他の3両とともに秋田県の小坂鉄道に移り、活躍していた。同鉄道が来年4月で廃止されることから、所有していた古河メタルリソースから譲り受け、里帰りが実現した。前日到着していた日本石油のタンク車と合わせて、開設準備が進められてい