風雪100年、いざさらば 山陰線 余部鉄橋2010年3月6日 印刷 ソーシャルブックマーク 寒空に架かる朱色の余部鉄橋。今秋には新しいコンクリート製の橋に変わり、100年の歴史に終止符を打つ余部鉄橋を走る列車内。写真を撮る客で、海側の席はいっぱいになった菩薩像の周りを清掃する岡本倫明さん余部駅から列車に乗る人たち。隣の鎧駅まで行きUターンする観光客が多かったJR余部駅=いずれも兵庫県香美町 フォトギャラリー どんよりした鉛色の空に架かる朱色の鉄橋。高さ41メートル、長さは310メートルに及ぶ。海沿いの集落の上を、山陰線の列車が轟音(ごうおん)を響かせ渡っていく。 「この鉄橋は、どこですか」。窓の外を見た前の席の男性が驚いた表情で尋ねる。殺人事件の捜査で偶然、乗り合わせた神奈川県警の刑事だ。夢千代が静かに答える。「余部(あまるべ)です」 1981年にNHKで放送されたドラマ「夢千代日記」