北海道東部の湿原に生息する国の特別天然記念物タンチョウと列車の衝突事故が後を絶たないことから、JR北海道と環境省は、列車からタンチョウの嫌がる音を出すなど、事故防止策の検討に乗り出した。 今月13日、釧路湿原周辺を走るJR釧網(せんもう)線でタンチョウがはねられて死んだ。JRによると、タンチョウが列車にはねられる事故は、今年度4件となった。環境省によると、事故は2011年度までの過去10年間で30件発生している。 最近では、給餌などで数が増え、湿原での過密化も問題となっているタンチョウだが、その生息数は世界でもわずか3000羽弱とされる。環境省は「非常に希少な生物で、事故は無視できない」(釧路自然環境事務所)としている。 タンチョウは高い所を好むため、線路が盛り土で小高くなった場所などで、よく事故に遭っているという。JR北海道では、事故対策として音の発信のほか、生息地付近での減速運転も検討