地球内部の深さ約3千キロの部分に、周囲とは組成が異なる厚さ約300キロの未知の層があることを、金島聡九州大教授(固体地球物理)らが発見した。約46億年前に生まれた地球がどうやって今の姿になったか解明する手がかりになるという。9日付の英科学誌ネイチャーに発表する。 地球の半径は約6400キロ。その内部はおおむね、岩石でできたマントル、高温で溶けた鉄を主成分とする外核、固体の鉄からなる内核の三層構造になっている。金島教授らはより詳しい構造を知ろうと、地球深部を伝わる地震波のデータを独自の手法で解析。マントルに接する外核のふちの部分に、地震波の伝わる速度が0.4%ほど遅くなる層があることを突き止めた。鉄のかわりに硫黄や酸素などの軽い元素を約5%含むと推定されるという。 解析には、2005年にアルゼンチンの地下約600キロで起きた地震の波をとらえた日本各地約130点の観測データなどを利用した。