(みかめ ゆきよみ:ライター・漫画家) 香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』の勢いが止まらない。キャストが登壇した新宿バルト9では連日朝から夜までフル回転で上映しており、平日夜にほぼ席が埋まっている。その客層を見ると幅広い世代が来場しており、特に女性の姿が目立つ。アクション映画としては異例の光景だ。九龍城が解体された後に生まれた若い世代も多い。今回はそんな「九龍城砦」の歴史を紹介したい。 今、九龍城砦が熱い 九龍城といえば1993年から1994年に解体され、今となっては伝説のスラムである。日本では一般的に九龍城、または九龍城砦と言われているが、城九龍寨城が正しい名称とされている(ここではアヘン戦争以前は時代に合わせた呼び名を、以後は九龍城砦とする)。 混沌、魔窟、無法地帯…九龍城砦を形容する言葉は決して華やかなものではない。しかし20代〜30代の若者たちがそこに魅力を感じ
