総合化学国内最大手の三菱ケミカルホールディングスが、合繊大手の三菱レイヨンを買収する方向で調整していることが10日、分かった。年内に最終合意し、株式公開買い付け(TOB)を実施、来春をめどに三菱レイヨンを完全子会社化する方針とみられる。実現すれば国内業界で初めて3兆円を超える売り上げ規模となる。汎用の石油化学製品は、中国や中東の安価な製品に押されて、三菱ケミカルなど国内化学各社の競争力が低下している。このため、鉄より軽くて強い炭素繊維など、三菱レイヨンの高機能製品を事業に取り入れることで、収益性を高める狙いだ。両社は三菱系だが、直接的な資本関係はない。 ≪競争力強化が急務≫ 圧倒的な規模を誇る欧米化学メーカーや新興国メーカーとの競争に勝ち残るため国内化学各社では、競争力の強化が急務となっている。両社の統合をきっかけに、再編が加速する可能性もある。 三菱ケミカルは汎用石化製品の採