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ブックマーク / davitrice.hatenadiary.jp (25)

  • 反共同体主義としてのリバタリアニズム(読書メモ:『自由はどこまで可能か』) - 道徳的動物日記

    自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門 (講談社現代新書) 作者:森村 進 講談社 Amazon タイトル通り、思想や哲学としてのリバタリアニズムの入門書。 書の初版は2001年ともう20年以上前であるし、わたしが書を最初に読んだのも学部生だったときだ。書の書評やレビューはネットの内外にて既に大量に書かれているだろうから、この記事では書の内容を要約するということはせず、先日に読み直したときにとくに印象に残った箇所……第4章「政府と社会と経済」で、共同体主義(コミュニタリアニズム)や共和主義などの「連帯感」を重視した発想に対して批判を行なっている箇所を主に紹介しておこう。 経済的不平等は社会内部の連帯感を損なう、と言われるかもしれない。だが、リバタリアンはそもそも相互に人間性を認め合うという、礼儀正しい尊重以上の濃い連帯感が社会全体の中に存在しなければならないとは考えない。濃い連

    反共同体主義としてのリバタリアニズム(読書メモ:『自由はどこまで可能か』) - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2023/11/29
    確か森山氏は、臓器売買肯定は後に見解を変えてましたよ
  • フェミニズムの理論をバランスよく(※)紹介する本(読書メモ:『はじめてのフェミニズム』) - 道徳的動物日記

    はじめてのフェミニズム (ちくまプリマー新書) 作者:デボラ・キャメロン,向井和美 筑摩書房 Amazon 『福祉国家』、『ポピュリズム』、『移民』、『法哲学』に引き続きオックスフォードのVery Short Introduction シリーズの邦訳書を紹介するシリーズ第五弾……ではないのだが、同じように英語圏の入門書の邦訳なのでこの流れで紹介。また、今月に発売したばかりのである*1。 書の「はじめに」ではフェミニズムの定義の問題について触れられている。 …フェミニズムへの向き合いかたは、なにを「フェミニズム」とするかによって変わってくるということなのです。だれかが「フェミニズム」という言葉を使うとき、意味しているのは次のどれか、あるいは全部かもしれません。 ・理念としてのフェミニズム。かつてマリー・シアー[アメリカの作家、フェミニズム活動家]は「女性は人であるという根源的な考えかた」

    フェミニズムの理論をバランスよく(※)紹介する本(読書メモ:『はじめてのフェミニズム』) - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2023/10/03
    進化心理学への藁人形論法的批判のところはフェミニストあるあるだなと思ってしまった
  • 読書メモ:『ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか』 - 道徳的動物日記

    ジェンダー格差-実証経済学は何を語るか (中公新書 2768) 作者:牧野 百恵 中央公論新社 Amazon 「ジェンダー格差」と「実証経済学」の組み合わせに惹かれたこと、そして中公新書というレーベルの信頼度から、発売日直後に購入。 他にも読んでいるはあるんだけれど発売直後のは早いとこ書評を書いたほうが宣伝にもなるものなので、読み終わった直後であるが簡単に感想を書いておく。 書はまさに副題通りの「経済学」のであり、著者も序章で「私はジェンダーの専門家ではありません」と明言している(p.ⅳ)。また、経済学は価値判断を下す学問ではなく、あくまで現実を分析して事実を明らかにするためのツールであるということが書では繰り返し指摘されている。これらの点は、書の長所であると同時に弱点にもなっているように思えた。 書の長所としては、近年の人文学的なジェンダー論者やフェミニストが「資主義的」

    読書メモ:『ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか』 - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2023/08/26
    そもそもジェンダー平等と少子化対策は別物なのに、最初から一纏めにして一つの政策で二つの目標を達成できるように語ってるところが、まず判らない
  • 「片目の男」(読書メモ:『ノージック 所有・正義・最小国家』) - 道徳的動物日記

    ノージック―所有・正義・最小国家 作者:ジョナサン ウルフ 勁草書房 Amazon 政治哲学者ロバート・ノージックの思想について、『アナーキー・国家・ユートピア』を中心に解説する。 ノージックといえばリバタリアニズム(自由尊重主義)を正当化する思想を提唱した人というイメージだが、このの著者のジョナサン・ウルフは、ノージックの提唱するリバタリアニズム自体にもノージックの議論の方法にも、最終的には賛同しないというか否定的な評価を下しているような。その一方で、権利(自己所有権)に基づくリバタリアニズムの主張は一定の説得力や直感的な正しさが存在していて多くの人が魅惑されること、また権利という単一の価値に基づいて政治哲学の理論を打ち立てるという離れ業を成し遂げたノージックの功績については好意的な評価がなされている。最終ページでジョン・スチュアート・ミルによる「片目の男」という比喩を引用していると

    「片目の男」(読書メモ:『ノージック 所有・正義・最小国家』) - 道徳的動物日記
  • 「だれを好きになるか」を批判の対象にしていいのか?(読書メモ:『すごい哲学 世界最先端の研究が教える』 - 道徳的動物日記

    世界最先端の研究が教える すごい哲学 総合法令出版 Amazonしてもらったので読んだ。十数人以上の若手日人哲学者が「サステナブルなファッションを選ぶにはどうしたらいいか?」や「小説を読むことで人はやさしくなれるのか?」といった具体的かつ詳細なトピックについて、(主に海外の)最新論文を紹介しつつ3〜5ページで短く論じる、という。 全体的に執筆者たちは自分の書いているトピックについて距離がとれており、冷静であっさりした文体が多い。「まえがき」では「少し変わった哲学の入門書」とされているが、哲学の考え方や方法を体系的に学べる教科書といったものでもない。全体的なとりとめのなさから、「哲学・倫理学の与太話集」といった表現のほうが合っている気もする。 とくにわたし自身の生活や人生経験に関わるものとして興味のあるトピックを挙げると、「マッチングアプリで好みでない人のタイプを書くのは差別か?」

    「だれを好きになるか」を批判の対象にしていいのか?(読書メモ:『すごい哲学 世界最先端の研究が教える』 - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2023/01/18
    永井均の「自我、真我、無我について」(『世界の独在論的存在構造』に入ってる。最近読んだ)みたいな文章だ。論理構造が一緒。
  • 文芸時評って意味あるの? - 道徳的動物日記

    わざわざブログ記事にするほどの内容でもないんだけれど、しばらくTwitterに書き込むことはお休みすることにしたので、こっちに書く。 togetter.com この件が話題なので、朝日新聞にログインして、問題の文芸時評を読んでみた。 www.asahi.com 読んでみて思ったのだが、こんな文章から読者が何かしらの知見なり洞察なりが得られるとはとうてい思えない。 たまたま今月に発売されることになった小川公代の『ケアの倫理とエンパワメント』にかこつけて、たまたま今月に雑誌とかに掲載された作品群のなかから「ケア」について関りがあったりなかったりする作品を連想ゲーム的にいくつか取り上げて紹介しているだけ。それも数の作品を取り上げているうえに枕や結びの文章も含まれているので、「ケアの倫理」やその背景にあるフェミニズム的発想にかこつけながら1800字強という字数のなかで個々の作品についてあらすじも

    文芸時評って意味あるの? - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2021/08/29
    スガ秀実の『文芸時評というモード』が文芸雑誌の時評の連載をまとめたものだけど、まさにこのテーマを扱ってるよ
  • 「進化政治学」はそんなにおかしいのか? - 道徳的動物日記

    www.asahi.com note.com 広島大学の伊藤隆太氏の発言が差別的であるとして問題視されており、それにあわせて、彼の研究分野である「進化政治学」も批判の対象となっている。 わたしの目から見ても伊藤氏の発言のうちのいくつかは差別的であり、解雇まで求めることが妥当であるかどうかはともかくとして、批判は免れないものだと思う*1。 しかし、Twitterなどでは、伊藤氏の差別発言が問題であるからと言って、彼の研究している学問分野までもが安直にレッテルを貼られて否定される、という風潮が散見される。それも、ほかの分野の学者たちがレッテル貼りや否定の先鋒に立っているようで、かなり嘆かわしい事態だ。 たとえば、シノドスに掲載されたオピニオン記事と、それに対する反応のひとつが、下記のようなものである。 synodos.jp これはあまりにも粗雑な論の立て方。遺伝子を政治的な意思決定と結ぶなど跳

    「進化政治学」はそんなにおかしいのか? - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2021/08/14
    そしてここに進化論をわかってない的はずれなコメントが並ぶというね。地獄かよ。 ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ
  • 社会的制裁のなにがよくないのか - 道徳的動物日記

    anond.hatelabo.jp 普段ははてな匿名ダイアリーの投稿にはあまり反応しないのだけれど、最近の事例についてはいろいろと思うところがあるので、昨日にTwitterに下記のような投稿をした。 社会的制裁を生み出すような道徳感情は集団や社会の秩序を維持したりするうえでは不可欠なはずであり、社会的制裁が望ましい結果を生み出すこともあるけれど、法律的な制裁と違ってコントロール不可能でありいつ望ましくない結果が出るのかもわからないので、原則的に「社会的制裁はよくない」とすべき https://t.co/xyqyMgRvhh— デビット・ライス (@RiceDavit) 2021年7月18日 "「正しい怒り」と「正しくない怒り」が存在するという考え方は、ただちに「自分の怒りは正しいが、あいつの怒りは正しくない」という発想に結び付くことは火を見るよりも明らかだ。" ネットリンチとかpublic

    社会的制裁のなにがよくないのか - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2021/07/19
    小山田氏が NHK の番組に曲を提供することが決まったときはここまで批判の声は大きくなかった。五輪には公金が投入されてるし、世界中に中継されるから自分ごとだと捉える人が多いのでしょうね。
  • 89年生まれのわたしにとっての「はてな」 - 道徳的動物日記

    このブログではめずらしく個人的な思い出話。 91年生まれ大反省会をしたい。わたしは91年生まれで今年30になる。若者と括られてきたけど、明らかに今の世代と全く育ってきた景色が違うことを感じる。政治家と言えば小泉首相、まだ日は経済的にすごいと習ったし、嫌韓屋に並び、ネットは2chにニコニコ、メディアは「オネエ」を笑っていた。 — 永井玲衣 (@nagainagainagai) 2021年7月5日 当時K-POPを色んな人が恐れていたのを覚えている。学問といえば受験勉強、フェミニズムはヒステリー、社会運動は危険、資主義は疑えないもの。数え切れないイメージが潜在的に内面化されているはず。ここをしっかり毒出しして反省しないと、これからの世代を抑圧してしまう。ここが分水嶺だと思う。 — 永井玲衣 (@nagainagainagai) 2021年7月5日 ↑ Twitterでこういう投稿をみ

    89年生まれのわたしにとっての「はてな」 - 道徳的動物日記
  • 「安楽死」をめぐる議論のおかしな構造 - 道徳的動物日記

    7月23日に京都のALS嘱託殺人が発覚して医師二人が逮捕された事件を受けて、メディアやネット上でも安楽死に関する議論が盛んにおこなわれた。当初は、事件の特異性から「この事件をきっかけに安楽死についての議論を行うこと自体を、避けるべきである」という意見もよく目にしたが、けっきょく、賛成派も反対派もいつも通りの主張をおこなう展開に終始した感がある。 どちらかの側が「いまは議論をするべきではない」と思っていても、別の側が自分たちの主張を唱え出したら、それに応答して議論を行わざるを得ない……というが、議論というものの厄介なところではある。「いまは議論をするべきではない」と思っていても、相手の側の主張を反論せずに野放しにしてしまうと、相手の主張ばかりが拡散されて自分たちの側の主張の影響力や説得力を相対的に弱まってしまうからだ。 また、「いまは議論をするべきではない」という主張自体が、「いまこそ議論を

    「安楽死」をめぐる議論のおかしな構造 - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2020/08/09
    日本では著名な物書きや政治家がそのまま B を主張することがままあり、B を大ぴっらに主張できない環境だとは思えないので、A の背後に B を幻視する主張は不当な論難だと思う
  • フェミニズムを素直に受け入れ過ぎ(ひとこと感想:『女性のいない民主主義』) - 道徳的動物日記

    女性のいない民主主義 (岩波新書) 作者:前田 健太郎 発売日: 2020/01/30 メディア: Kindle版 日の民主主義における「女性不在」の問題について、参政権や政策、投票行動や立候補などの問題に細かく分別しながら、「ジェンダー論」や「フェミニズム」という分析枠組みを用いて問い直すだ。古典的でベーシックな政治学の用語や理論に関する説明をしつつ、既存の政治学がジェンダーや女性という問題をいかに無視してきたか、という批判が主となっている。 著者の主軸というか得意分野はジェンダー論よりも政治学の方にあるらしく、政治学の理論や用語の整理の仕方は実に上手である。また、ジェンダー論やフェミニズムに関しても、論者によって意見が大きく分かれるような内容や突飛な内容にはあまり踏み込まずに、あくまでベーシックでけっこう古典的なタイプのフェミニズム的枠組みを採用している。そのために内容は無難なもの

    ChieOsanai
    ChieOsanai 2020/07/10
    “「ジェンダー規範」に関する議論というものは深掘りすればするほどどんどんと反論不可能な陰謀論に堕していって非生産的なものになっていくのだが(…)”
  • ひとこと感想:『日本人のためのイスラエル入門』 - 道徳的動物日記

    人のためのイスラエル入門 (ちくま新書) 作者:洋, 大隅 発売日: 2020/03/06 メディア: 新書 著者はアカデミックな人物ではなく、外務省に入って在イスラエル日大使館公使を数年間務めた経験のある外交官。というわけでこのの内容もアカデミックなものではない。イザヤ・ベンダサン(山七平)のが引用されていたり、俗っぽくてステレオタイプ的な「ユダヤ人論」や「日人論」が多かったりするのは気になるところだ。 しかし、「入門」というタイトルは伊達ではなく、近年のイスラエルの政治・経済・社会の状況がまんべんなくまとめられている。イスラエルといえば建国の歴史的経緯とパレスチナや中東諸国との紛争ばかりが取り上げられがちだが、いろんなやニュースで散々聞かされているその話題は最小限に抑えている。その代わりに、「一般的なイスラエル人の国民性はどのようなものであるか」という話題に紙幅を割いた

    ChieOsanai
    ChieOsanai 2020/07/08
    駐韓大使を務めたあと『韓国人に生まれなくてよかった』というタイトルの本を出した人もいることだし
  • スティーブン・ピンカーとブラック・ライヴズ・マター - 道徳的動物日記

    togetter.com ↑ 自分でまとめたこの件について、思うところをちょっと書いておこう。 ●今回はスティーブン・ピンカーという大物がターゲットになったことで話題になったが、アメリカのアカデミアにおける「キャンセル・カルチャー」の問題はいまに始まったことではない。今回はBLMが直接のきっかけとなっているだろうが、他にも「セクシズム」や「イスラモフォビア」などの咎で、これまでにも様々な学者たちの講演がキャンセルさせられたり謝罪要求をされたり、大学を追われたりしてきたいう経緯がある*1。今回については、除名といってもアメリカ言語学会そのものからではなく「フェロー」の立場や「メディアエクスパート」の立場からの除名を求める運動ではあるが、言語学とはほぼ関係皆無の数年前のツイートを取り沙汰してポジションを奪うことが許されてしまうのなら、萎縮効果は明白だろう。だからこそ、ノーム・チョムスキーやジョ

    スティーブン・ピンカーとブラック・ライヴズ・マター - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2020/07/08
    昨今の米国のキャンセル・カルチャーには、あのバラク・オバマ氏も苦言を呈しているほど
  • 「トランプ支持者の白人労働者」について書かれた本をまとめて読んでみて… - 道徳的動物日記

    ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~ 作者:J・D・ヴァンス 発売日: 2017/03/24 メディア: Kindle版 新たなマイノリティの誕生―声を奪われた白人労働者たち 作者:ジャスティン・ゲスト 発売日: 2019/05/31 メディア: 単行 壁の向こうの住人たち――アメリカの右派を覆う怒りと嘆き 作者:A.R.ホックシールド 発売日: 2018/10/26 メディア: 単行(ソフトカバー) アメリカを動かす『ホワイト・ワーキング・クラス』という人々 世界に吹き荒れるポピュリズムを支える“真・中間層”の実体 作者:ジョーン・C・ウィリアムズ 発売日: 2017/08/25 メディア: 単行 ↑ 世間ではブラック・ライヴズ・マターが話題だが、あえてこのご時世に、ひと昔前に邦訳された「トランプを支持した白人労働者の問題とはなにか、彼らはどんな特性や性質

    「トランプ支持者の白人労働者」について書かれた本をまとめて読んでみて… - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2020/06/14
    イギリス版だと、オーウェン・ジョーンズの『チャヴ』がある // 三塁打発言の起源は諸説あるみたい cf. https://yamdas.hatenablog.com/entry/20190325/aynrandisadick
  • 読書メモ:『BOYS 男の子はなぜ「男らしく」育つか』 - 道徳的動物日記

    ボーイズ 男の子はなぜ「男らしく」育つのか 作者:レイチェル・ギーザ 発売日: 2019/03/01 メディア: Kindle版 男性たちが持つ「男らしさ」は先天的に備わっているものではなく、社会関係やメディア表象などを通じて後天的に身に付くものである、ということを主張する。要するに、ジェンダー論にありがちな社会構築主義的な議論を説くである。 「男らしさ」とか「女らしさ」とかをめぐる議論ではとかく社会構築主義が主張されがちで生物学的な要因が無視されがちであり、ちょうど一年ほど前にそのことについて文句を言う記事を書いた*1。とはいえ、「男らしさ」に社会構築的な要素がまったくない、と主張するのも馬鹿げた話ではある。男性であるわたしが自分の人生を振り返ったり知人のことを観察したりしてみても、「あの時は男らしさを押し付けされそうになってイヤだったな」とか「あいつは明らかに所属している集団の影響

    読書メモ:『BOYS 男の子はなぜ「男らしく」育つか』 - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2020/05/30
    ブルーピルだな。読む手間が省けた。
  • パターナリズムとしての「勤労の権利」 - 道徳的動物日記

    www.orangeitems.com ↑ 上記の記事でなされている主張を引用しよう。 働かないというのは、社会から切り離されることに等しいと思います。社会で生きていたら誰かの役に立っていないときっと空虚な気持ちになります。住居も保証され何でも買っていい、旅行も行き放題。学校に行くも良し。しかしきっと、世の中の役に立って社会から尊敬されたいという欲が満たされないに違いありません。 この主張は、私が先日に書いた記事で引用した、小浜逸郎による「ベーシックインカムよりもジョブ・ギャランティー」論に相似したものだ*1。 …ただ、思想として見た場合、どちらが優れているかといえば、就労を条件とするJGPのほうが、人間的自由の獲得の条件としてやはり立ち勝っていると言えるでしょう。ベーシックインカムは、かつて救貧のために方法を見出せなかった時代の、富裕層による上からの慈善事業の現代ヴァージョンです。もし誰

    パターナリズムとしての「勤労の権利」 - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2020/02/12
    まったくだ。ああいう発想はどこから生まれるんだろうねぇ。
  • 動物に関する文化人類学の議論の有害性について - 道徳的動物日記

    今回書くことは数年来考えてきたことであり、これまでにもTwitterなどでぶつぶつと文句は言ってきたのだが、まとまった文章を書くタイミングはなかった。 しかし、先月に文化人類学者の奥野克巳氏(以下敬称略)がアップした「分別と無分別の間で ~動物解放への違和感から考える~」という記事を見てみると、コンパクトな記事ながらも、文化人類学が動物に関する倫理規範や動物の権利運動などについて言及する時にあらわれがちな問題点がぎゅっと詰まっていた。 ちょうどいい題材だと思ったので、この記事を叩き台にしながら、私の考えを述べさせてもらおう。 www.akishobo.com 奥野のこの記事の副題は「動物解放への違和感から考える」であり、文中でも、西洋の反イルカ漁運動や動物の権利運動が取り上げられている。 そして、動物愛護や動物の権利の歴史について、奥野なりのまとめが書かれている。 だが、私から見ると、奥野

    動物に関する文化人類学の議論の有害性について - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2019/11/30
    ホントそれ
  • 進化心理学はなぜ批判されるのか? - 道徳的動物日記

    quillette.com 上記のQuilletteの記事を要約紹介しつつ、雑感を書く。…というか、ダラダラと長ったらしい記事なので、思い切って要点や特徴的な点だけ紹介する。 上記の記事では、デビッド・バスとウィリアム・フォンヒッペルという二人の進化心理学者が行った、"社会心理学者たちが進化心理学について抱いている認識"についての調査が参照されている。この調査によると、動物のみならず人間について進化心理学を適用することについては、社会心理学者たちの意見は分かれているそうだ。ダーウィンの進化理論が真実であることや、人間の様々な身体的特性が進化の産物であることにはほぼ全ての社会心理学者たちが同意しているのだが、身体のみならず心理や精神についても進化論を適用することに関しては、かなり賛否が分かれるのである。 進化心理学に批判的な社会心理学者たちは、宗教的信念や「人間は他の動物に比べて特別だ」とい

    進化心理学はなぜ批判されるのか? - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2019/09/05
    いやぁ、自覚してないだけで「人間は特別だ」と思いたがってるだけでしょ
  • 「ブルジョワ文化」が失われたことがアメリカの社会問題の原因? - 道徳的動物日記

    www.philly.com 今回紹介するのは、Philly.comというサイトに掲載された、ペンシルヴァニア大学のロースクールの教授であるエイミー・ワックス(Amy Wax)とサンディエゴ大学法学部の特別教授であるラリー・アレクサンダー(Larry Alexander)による「ブルジョワ文化の破綻の代償(Paying the price for breakdown of the country's bourgeois culture)」という記事。 この記事の冒頭では、現代のアメリカに存在する様々な問題が羅列されている。仕事に就けるような資格を持っている人が少なすぎること、労働力年齢にある男性で実際に仕事に就いている人の割合は大恐慌時代並みの低水準であること、オピオイド系鎮痛剤中毒の蔓延、殺人や暴力犯罪の増加、婚姻していないカップルのもとに生まれたりシングルマザーによって育てられる子供の

    「ブルジョワ文化」が失われたことがアメリカの社会問題の原因? - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2017/09/06
    経済は変えれねぇし文化を変えようぜ!ってことですかね
  • Google社員の「反多様性メモ」の内容は間違っていたのか? - 道徳的動物日記

    jp.reuters.com www.bbc.com やや時機を逸している感はあるが、今更ながら、Google社員のジェームス・ダモアが社内文書にて男女の生物学的性差などを論じながらGoogleの多様性制度を批判したために解雇されてしまった事件について、軽く英語記事を紹介してみようと思う。 www.nydailynews.com まず紹介したいのは、倫理学者のピーター・シンガーが8月10日に発表した「なぜGoogleは間違っているか:ジェームス・ダモアが社内文書のために解雇されたことは正当なのか?」という記事。 ダモアの文書についてのシンガーは以下のようにまとめている: ・まず、ダモアの文書は「一部の種類のジェンダー・ステレオタイプには、その根拠となる理由が実際に存在する」ということを論じている。具体的には、男性と女性とを比較すると女性の方には「他人に対して関心を抱きやすい」「分析を行った

    Google社員の「反多様性メモ」の内容は間違っていたのか? - 道徳的動物日記
    ChieOsanai
    ChieOsanai 2017/08/25
    リベさんたちは今だにブランクスレート説を信じてるから。もはや宗教やで。

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