社会学者の大澤真幸氏と、憲法学者の木村草太氏が、天皇制の過去・現在・未来をめぐって対話した『むずかしい天皇制』(晶文社)。この本の刊行を記念して、2021年6月20日に代官山蔦屋書店主催で行われた対談イベントの内容をまとめました。テーマは、大澤氏の近著『新世紀のコミュニズム』(NHK出版新書)ともからめた「資本主義と天皇制」。「資本主義の限界」が言われるなか、天皇制の持続可能性をどう考えたらよいのでしょうか? 【構成・山本ぽてと】 天皇制は例外状態の時に出てくる 大澤 今回は私と木村さんの対談本『むずかしい天皇制』刊行を記念してお話をします。一般的な本では「すぐ理解できる!」ことを売りにしそうですが、「むずかしい」をわざと前面に出した珍しい本です。今の時代、「むずかしい」と率直に言ったほうがよいと思いましたが、実際、わりと読者に届いているようで良かったですね。 木村 ええ。今日も「むずかし
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