「取材元は明かさないでくださいね。もし彼らの目に留まったら、私がバラしたんだとうわさされて、保護者から苦情が来てしまうかもしれないので……」 ある予備校の職員は小さな声でこう語り出す。予備校といっても普通の予備校ではない。中国人留学生専門の予備校だ。私は昨年10月、「大久保で増殖!中国人向け「予備校」の衝撃」という記事で、東京都内には日本の有名大学への進学を目指す中国人の若者たちが、少なくとも5000人以上はいるという話を書いた。 彼らの多くは、日本語学校と予備校のダブルスクールにかかる年間150万円以上の学費に加え、マンション代や生活費など月間20万円以上の仕送りを、中国に住む親から送金してもらっている。つまり富裕層の若者たちだ。かつて中国人留学生といえば、アルバイトしながら苦学して日本の大学に進学するというイメージがあったが、現実は一変。何不自由ない生活をして、受験勉強だけをすればいい