本誌が見た「放射能の魔界」 福島原発は今、「水戦争」 敷地内に大小900を超える汚染水タンクがひしめく。原子力規制委員会と地元漁協の同意を得て海洋放出できるか。 2013年4月号 LIFE by 現地ルポ/本誌 宮嶋巌 3月1日午前10時半。福島第一原発の免震重要棟内で白装束(防護服)に着替え、全面マスクを被る。綿手袋の上にゴム手袋を2枚重ねで着用し、異物が入らないように袖口をテープで封じる。靴下を2枚履き、不格好な防護靴に履き替えた。 免震重要棟前の空間線量は毎時23マイクロシーベルト(μSv)。取材陣を乗せたバスは、標高35メートルの高台からなだらかな坂道を走る(地図参照)。途端に携帯線量計の警戒音(100μSv超)が鳴り出す。どんよりとした空の下、灰色の海に面して並び立つ4つのタービン建屋の横をバスは南下。2年前の津波に押し流された発電設備やクルマの残骸が目に飛び込んできた。 「10
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