山田利博氏の『アニメに息づく日本古典 -古典は生きている-』の内容から。日本のアニメ・漫画・ゲームにはあちこちに「決めポーズ」が登場します。しかし、アニメや漫画・ゲームのキャラクターたちはいったい何のために「決めポーズ」を取るのでしょうか?
時間SFの文法 決定論/時間線の分岐/因果ループ 文芸 浅見 克彦(著) A5判 248ページ 並製 定価 3000円+税 ISBN978-4-7872-9233-9 C0095 在庫あり 奥付の初版発行年月 2015年12月 書店発売日 2015年12月17日 登録日 2015年11月12日 紹介200作品を超える時間SFを読み解き、タイム・トラベル、並行世界への跳躍、自己の重複などの基本的なアイデアや物語のパターンを紹介する。そして、物語のシニカルさやアイロニーを踏まえながら、時代感覚への批評性を秘める時間SFの魅力をあぶりだす。 解説H・G・ウェルズ『タイム・マシン』、R・A・ハインライン『夏への扉』、J・G・バラード『結晶世界』、P・K・ディック『逆まわりの世界』、R・シルヴァーバーグ『時間線を遡って』、J・フィニイ『ふりだしに戻る』、M・ジュリ『不安定な時間』、K・グリムウッド
スピン経済の歩き方: 日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。 「情報操作」というと日本ではネガティブなイメージが強いが、ビジネスにおいて自社の商品やサービスの優位性を顧客や社会に伝えるのは当然だ。裏を返せばヒットしている商品や成功している企業は「スピン」がうまく機能をしている、と言えるのかもしれない。 そこで、本連載では私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」を紐解いていきたい。 TSUTAYA図書館に対する「排除ムード」がいよいよ全国的に広まってきている(参照記事)。 住民投票でNOをつきつけられた愛知県小牧市に続いて、今度は山口県周南市で、TSUTAYA図
芦辺 拓 @ashibetaku 偽史学博士@gishigakuの拙作『降矢木すぴかと魔の洋館事件』評、この物語には多くのライトノベルで主な舞台となる学園内がほとんど出てこないことに対し「本書は少年たちの世界観が学校の重力にとらわれる前のジュニア小説の空気を現代によみがえらせようとする意欲作である」と。 芦辺 拓 @ashibetaku そういえば小林芳雄と少年探偵団はもとより西條八十の白ばと組も、高木彬光の古沢姉弟も学園生活が描かれたことはない。森下雨村の池上富士夫は探偵事務所の社員だし、横溝正史の御子柴進は新聞社の給仕だし。いつから、そしてなぜ少年少女が物語の中ですら学園に呪縛されるようになったのか。
「純文学」を正しく説明するのは難しい。しかし、見分ける方法はカンタンだ。ピース又吉の顔写真が印刷されているオビの本を探せばいい。「ライトノベル」も純文学と同様に、説明するのが容易ではない小説ジャンルだ。 よくわかっていないライトノベルの「定義」と「起源」 文庫市場におけるライトノベル小説の売上が占める割合は約20%。市場規模は約220億円。単行本や新書サイズのものを含めると約320億円だ。(参考:出版月報 2015年3月号「特集 2014年文庫本マーケットレポート」ライトノベル関連 - Matsuの日記 , この世の全てはこともなし : ライトノベル市場規模の話) そもそも「ライトノベル(ラノベ)」とは何か。ざっくり言うと、アニメや漫画のようなカラーイラストが表紙の小説本だ。しかし最近では、単行本やビジネス書なのにラノベっぽい表紙のものが少なくない。前述したようなテキトーな定義を踏まえて語
僕が監修をさせて頂いた、「ネットコミュニティの設計と力」が8月25日に刊行されました。 角川インターネット講座5 ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代<角川インターネット講座> (角川学芸出版全集) 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川学芸出版発売日: 2015/08/25メディア: Kindle版この商品を含むブログ (3件) を見る この本は、「角川インターネット講座」というシリーズの中の一冊です。全部で15冊もあります。この企画は、インターネットが本格的に普及し始めてから20年ほどが経ち、「このへんで一度これまでの日本のインターネットの全体をまとめておきましょう」と角川会長が仰って始まった、というなかなか壮大なプロジェクトです。 他の巻では、インターネット界の大御所の皆さんが監修を担当されており、インターネットコミュニティについての巻の監修をしてもらえないか、
※2014年7月に「新文化」に掲載したもの。多少加筆しましたが、あんまりいじるとそのときの空気が出なくなるのでなるべくママにしました。 - 2010年代に入り、ネット小説の投稿プラットフォーム「小説家になろう」掲載の作品を書籍化するレーベルが続々誕生している。文庫や四六判ソフトカバーで刊行されているこのジャンルは、多くがファンタジー小説だが、ノベルスや文芸のハードカバーの棚を奪い、書店での存在感を増している。先駆者アルファポリスは2012年3月決算では売上が約10億円、14年では20.5億円と2年で倍増していることが、勢いの一つの証左となるだろう。 本稿では「なろう」書籍化の現況を版元寄りの視点から概観し、今後の展望を占ってみたい。 ■なぜ参入するのか? ネット小説はウェブ上でタダで読めるが、いくら無料でも人気になる作品とならない作品には歴然と差がある。ネットでの人気投票に勝った企画力の強
街の書店では、著者のパートナーは出版社だった。しかしデジタルでは著者は出版社を必要としなくなった。少なくとも、カバーデザイナーや編集者ほどには重要でない。その結果何が起きているか。E-Bookの価格をめぐる「出版社対アマゾン」の構図を5年にわたって考察してきた本誌は、それはより本質的な対立軸を隠すものであると考える。 敗者なき「デジタル革命」? E-Bookの価格をめぐる出版社とアマゾンの長い長い議論/抗争は、ほぼ7年目になる。出版社は「適正な価格」を主張し、アマゾンは売上(部数×価格)を最大化する価格を基本にすべきことを主張した。後者は直接には証明不可能だが、データがまとまれば蓋然性は立証されるのに対して、「適正価格」はわかりにくい。本というものがすべてタイトルごとに違い(適正の判断は出版社だけが知っている)という出版社の主張は理屈を超えている。 大手出版社はアップルの協力を得て2010
俄に盛り上がる界隈での何故ライトノベルがバカにされるのか?問題にありとあらゆる武器で切り込むラノベクラスタたち. 私も尻馬に乗ってどの記事にもリンクを送らずに好き勝手エントリ書きますが,とりあえず色々思い出したものをひとつ. ■そもそも小説(の形態をとっているエンターテイメント)を正当に馬鹿にするコト自体の難易度は高い 実際ヲタクコンテンツの中でも屈指の叩きづらさを誇るのが小説を媒体とする作品だと思います. なんでかというと,他の形態と比べて,内容を楽しむには個人の教養やら知識やら想像力やらがモロにフル動員されるからです. わかりやすく図にすると以下のようになります 小説には独特な「行間を読む」という作業が発生し,結果的に大なり小なりの色々な”解釈”を生みます. なのでその構造上,同じ小説に対して叩いている人と擁護する人が同時に発生すること自体は実は当たり前なのです. 先ほど叩く難易度が高
十六世紀初頭から十七世紀末にかけて、神聖ローマ帝国=ハプスブルク家は強大なオスマン帝国の侵攻を撃退し続けた。フランスのように絶対主義体制の構築ができたわけでも、イギリスのように四方を海に守られていたわけでもなく、宗教戦争と度重なる国際戦争で疲弊し分裂した神聖ローマ帝国に、なぜオスマン帝国からの防衛が可能であったのか。その大きな要因として本書は、ハプスブルク家における実証主義的政治の誕生を挙げている。 『本書のテーマは単純で、オスマン帝国から国を守るという極限状況がハプスブルクに強いた、理想を追わず現実を直視するという心性が、十六世紀的な、世界を客観的、数量的に把握し分析するという技術と出会い、そこに強力な、説得力のある実証主義政治が生まれたというものである。脱魔術化しているという点において、この政治はすぐれて近代的な政治である。』(P229~230) この分析がとても面白い。もちろん、みん
pg. 1 © 山形浩生 ピケティ『21 世紀の資本』FAQ (v.1.4) 2014 年 12 月 山形浩生 Disclaimer: ここに書かれたのは訳者の私見であり、ピケティの見解ではない。 Q1. この本での資本とは? → 資本、資産、財産、富はこの本ではすべて同じもの。扱っているのは、総資産から負 債を引いた、いわばエクイティ部分のこと。 (住宅は資産だが、ローンが残っていればその部分は差し引かれる) 人的資本は入っていない。 Q2. え、人的資本が入っていなくて大丈夫なんですか? 現代では人的資本の ほうが重要なのでは? → はい、そういう批判は出ている。物理的資本だけ見ても仕方ないんじゃないか、現代 産業の主流は人的資本だ、と。でも、それを計測するのはなかなかむずかしいので「人的 資本を入れたらこうなります」というしっかりした反論は出てきていない。 またピケティもそれを予測し
世界文学が読まれない、売れない、翻訳できない 『絶望名人カフカの人生論』の著者、頭木弘樹さん(@kafka_kashiragi)が「海外文学の翻訳が売れないから、翻訳できなくなってきている」というつぶやきが3000RTを超えた。 https://twitter.com/kafka_kashiragi/status/534536316197679104:title#怖ろしい話を聞いた…。海外文学の翻訳は、初版1500部とか、初版印税ナシが普通になってきているという。増刷はなかなかされないだろうから、初版印税ナシだと、実質、無報酬に。初版1500部でも、生活はとてもできない。これでは翻訳をする人はいなくなってしまう。したくても生活できない。 「印税と翻訳料の違い」(わたしの周囲は若手が多いためか無報酬の話が多く、あっても微々たるものだろうが)や「業界全体の話なのかどうか」「そもそも本当の話なの
著作権法 第2版 作者: 中山信弘出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2014/10/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 1.感情がこもった本の面白さ 学者の書く学術書は、客観的な観点から、冷静沈着にというものが多い。 しかし、一部、その著者の感情が浮かび上がる記述スタイルを取る本もある。 このような記述に対しては、一部では批判もあるところだが、私は全面的に支持したい。 それは、学問の原動力が、「これを伝えたい」という力だからであり、それが紙面にもほとばしり出るくらいパッションが込められている本には、(今その考えが通説ではなくても)必ずやその「思い」に共感する人の輪が広がっていくだろうと思うからである。 この観点から、すでに「龍田節」を取り上げたことがある 龍田節万歳!〜楽しめる基本書「会社法大要」 - アニメキャラが行列を作る法律相談所withアホヲタ元法学部生
作品要素の全てが異世界でつくりあげられているのが「ハイファンタジー」で、地球人が異世界に行ったりと現実の要素がふくまれるのが「ローファンタジー」というカテゴライズがある。前者の代表が『指輪物語』、後者の代表が『ナルニア国物語』といったところ。 これはジャンル内ジャンルのようなものであって、どちらが上等とか下等とかいう評価とイコールではない。完全な異世界を構築する仕事量と、その異世界を読者に理解させる技巧とで前者を高評価する向きもあるが、設定の物量と作品の面白さがイコールで結ばれるわけではない。一般の読者にとっては、せいぜい好みの問題だ。 そう思っていたら、よくわからないエントリを見かけた。id:chaoran氏のブログだが、このエントリひとつしか今のところあがっていない。 なぜオタクにバカが増えたのか、という話 - chaoran’s diary 「オタク」がそういう事ができる脳みそを持っ
こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 なんでも、書籍で最初に江戸しぐさを批判したのは私ではないかとの指摘を受けまして、そういう栄誉に浴した(?)からには、読まないわけにいきません、江戸しぐさについて徹底検証した原田実さんの『江戸しぐさの正体』。 私が感じてた疑問や矛盾はほぼすべて突いてました。化けの皮を完全にはがしちゃいました。まあ、普通に考えればおかしいと思うよねえ。江戸しぐさを勧める人たちが江戸文化に無知すぎることはあきらかなんで。 江戸しぐさ信奉者たちからの反論――は期待するだけムダでしょう。どうせ、「諸説あります」と常套句でいい逃れをするのがオチ。どんなデタラメな説を持ち出しても、これは諸説あるうちのひとつだから、といえば許されると思ってる。さらに追及されると、もうひとつの切り札「信じる信じないはあなた次第」を出してきます。 そもそも歴史を科学とは思ってない人が多すぎるんです。
この前id:hitode909くんからピープルウェアを貰ったので読んだ。非常に面白くて、興味深い話が多かった。 ピープルウエア 第3版 作者: トム・デマルコ,ティモシー・リスター,松原友夫,山浦恒央出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2013/12/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (6件) を見る この本は、作者のトム・デマルコさんとティモシー・リスターさんが10年に及んだ調査と、自身のソフトウェア開発の経験をもとに、ソフトウェア開発における人に関する問題をたくさんのコラムを通じて教えてくれる。冒頭には以下のようにある。 実際のところ、ソフトウェア開発上の問題の多くは、技術的というより社会学的なものである。 いろんなレイヤにおける人の問題についてそれぞれ章がわかれていて、個人からオフィスやチーム、さらには会社組織のはなしへと続く。結構マネージャー視点ぽいコ
■ 本の未来 (Ascii books)(富田 倫生) 25日の追悼イベントには参加できなかったが(さすがに平日の真昼間ではね。タイムシフトで観られるようなので時間があれば観てみたい)、代わりといっては何だが『本の未来』を読んだ。1997年の本で、リンク先は紙の本(Amazon)だがすでに入手できない。が、(もちろん)青空文庫に入っているし、BinB Storeでは無償でEPUB版のダウンロードができる。ちなみに以下の3種類で読み比べてみたんだが: 青空文庫版を青空キンドルを使ってPDFに変換してKindleで読む EPUB版をcalibreを使ってmobiに変換してKindleで読む BinB版をWindowsのブラウザ(Chrome)で読む 上から順に読みやすかった。一番古参のフォーマットが一番高品質という現実よ……。言うまでもなくEPUB版はかなりのハンデ戦。BinBはWebフォント
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く