「こないだもさ、学校で配られたプリントに夢は何ですかって質問があって、そこに舞ちゃんは多分『ポケモン』て書きたかったと思うねんけど『ポケチン』て書いてきてんて。ああこういう間違いもあるなあって思ってお母さんは舞ちゃん、ほら『モ』と『チ』は向きが違うでしょ、ポケモンのモはこっちでしょ、覚えてねって最初は優しく余裕で教えたらしいねんけど、何回教えてもポケチンポケチンて書いてくるねんて。いい加減いらっとしてそのお母さんも『舞!ポケモンはポケチンと違うって言ってるでしょ!よく見て!モとチは向きが違うでしょ!何回もポケチンポケチンて!何回言ったらわかるの!ポケチンてなんやのいったい!え!ポケチンて!え!言うてみなさい!』みたいなことになってさ・・・」 久しぶりに字面を見て笑う。 これは『乳と卵』で138回芥川賞を受賞した川上未映子さんの、週刊誌に載せられたエッセイからの抜粋である。 川上未映子さんは
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