それ程偏った映画ではないので、偏見を持たずに見た方がいい映画だと思う。石原慎太郎はリアルな戦争体験を持っているから、ネットウヨ坊みたいなリアリティーのない戦争賛美はしないし、東條英機まで英雄だとかホザくアホとは違い、戦争指導者と兵士は分けて描いているし、戦争の無常さはしっかり抑えてはいる。 ただ私はピュアな人間ではないので、ピュアな人間をどうしても美しいとは思えない。これは思想の問題というより、なんか「○○は正しい。素晴らしい。美しい」というように積極的な価値観を信じて揺るぎない人を、どうしても胡散臭いと思ってしまう自分がいる。たぶん、私みたいな根性が曲がった人間より、「○○は正しい。素晴らしい。美しい」と信じて人生を全うした人のほうが幸せなのだと思う。より心の豊かさを実感した人生を送れるとは思うが、どうしても自分はそう在りたくないという拒絶感を回避できない。 だから私は特攻隊員やこの定食