はじめに こんにちは。「緊デジ」(経産省コンテンツ緊急デジタル化事業)の何が問題だったのか、あらためて整理するレポート。今回はその後編をお送りします(前編はこちら)。 疑問5)「知のアクセス向上」は果たされたか 「緊デジ」の事業目標として、「被災地の知のアクセス向上」が挙げられていました。しかし、フタを開けてみると、電子化した本の半分近くが、コミックスであったことがわかりました(河北新報2014/4/9)。 筆者は、一部の評論家のように、「コミックスは本ではない」と主張する気は、まったくありません。コミックスも、日本の素晴らしい伝統の一部ですし、コミックスにも、文字ものの本にも、よい本と悪い本があるだけだと思っています。 しかし、「(被災地の)知のアクセス向上」というお題目から想像されるものと、大震災の翌年の公的プロジェクトで電子化された本の半分近くがコミックス、という結果との間には、少な
