全然大した話じゃないし、望遠鏡を覗き込んだわけでもないけど、僕にもカルト宗教に関わった、ほろ苦く不思議な記憶がある。 あれは小学三、四年生の頃。 母親の親友だと言うDさんに会う日が続いた。 会うのは決まって、母、Dさん、僕の三人。 場所は、僕の家だったり、Dさんの家だったり。 その前からもDさんとは付き合いがあり、ちょくちょく家に来てて、遊んでもらっていた。 母からは、高校時代一番仲が良かった人だと聞かされた。 でもこの頃は、ほぼ毎週、いやもっと頻繁だった記憶がある。今でもDさんの苗字をはっきり覚えているくらいだから。 その日も家にやってきたDさん。 母と何やら話し込んだ後、仏壇の前に座るように言い出した。母は僕に来るように言った。 和室の仏壇の前に座ると、Dさんは優しく言った。 「あそこの仏さんの隣…何か明るい、優しいものが、見えるでしょう?」 指さされたのは、位牌の右隣の空間。そこには
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