<この国はどこへ行こうとしているのか> ◇欠けていた「想像力」--保阪正康さん(71) 約束の時間の15分前。東京の毎日新聞本社。待ち合わせ場所の最上階レストランへ行くと、既に昭和史の大河を歩き続ける人は来ていた。計画停電で混乱する中、自宅のある埼玉から電車を乗り継いできたという。 「今日は何が何でも話さなければいけないと思ってね」 11日の地震発生時は、自宅の仕事場で執筆中。「書棚から本がバタバタと落ちて、これはだいぶ大きいなって。被災した地域への電話も通じないし。さらに驚いたのは、こちらが考えている以上に海外で相当大きく報じられていることでしたね」。その後数日間、メディアを通じて枝野幸男官房長官の記者会見など、後手に回る一連の政府対応を注視したが、違和感をふつふつと覚えたという。 「聞いていても何を説明しているのか分からない。推量、ぼかし、責任逃れにも聞こえて……野党への国会答弁のよう