天の川銀河の中心から広がる巨大泡構造「フェルミバブル」で一番明るい部分のガンマ線は、天の川銀河ではなく、奥のいて座矮小楕円銀河内のミリ秒パルサーに由来することがわかった。 【2022年9月12日 カブリIPMU】 2010年、NASAのガンマ線天文衛星「フェルミ」による観測で、天の川銀河の中心から上下におよそ5万光年にわたって広がる巨大な泡構造「フェルミバブル」が発見された。このフェルミバブルは、かつて天の川銀河中心部で起こった何らかの爆発的現象に由来するように見えるが、発生源はわかっていない。さらに解釈が難しいのは、フェルミバブルの中に存在する下部構造だ。 その中でも南側にある「コクーン」(cocoon)と呼ばれるスポットは、フェルミバブルの中で最もガンマ線で明るく見える。この構造は、天の川銀河の超大質量ブラックホール「いて座A*」が過去に暴発した名残ではないかという説もあった。だが、オ