【寄稿】 マッチングと医師不足,米国そして日本 本田 仁(Washington University感染症科フェロー/米国内科専門医) 日本もマッチングシステムを導入後4年が経過し,研修医教育制度に変化をもたらした。医学生は研修先確保のため“就職活動”をしていくことが要求される。その一方で,医局制度のもと慣習的に行われていた医師派遣が滞り,地域での医師不足や偏在化など新たな問題にマッチングが直接あるいは間接的に影響したとも言われる。さらに,研修施設によっては人気のある施設と定員を満たせない施設の両極化も認められ,臨床研修施設にも変化が求められるのは必至である。 ここではマッチング制度を先駆けて導入した米国のマッチングについて,内科を中心に紹介したい。 米国のマッチング 米国のマッチングの歴史は今から50年以上も前にさかのぼる。1900年代初頭,インターンの獲得のため病院(プログラム)間