2014年5月20日 高齢者の物盗られ妄想の診察で気をつけていること 物盗られ妄想のある高齢者の診察では、刑事になったつもりで接するようにしている。何をいつ盗られたのか、犯人の目星はついているのかなどを聞く。これは家族や施設職員と話す時も同じで、絶対に最初から妄想とは決めつけない。特に家族の気持ちとしては、身内がいきなり妄想にとりつかれた狂人のような扱いを受けたら辛いものだ。 少し話がそれるが、高齢者の幻視(レビー小体病で起きやすい)に対しても、何が見えるのか、人なら誰が見えるのか、男か女か、知っている人か、怖くないかといったことを尋ねていく。物盗られ妄想にしろ幻視にしろ、こういう細かいことを尋ねていく過程と雰囲気は、本人はもとより同伴の家族の目にも、医師が真摯に向き合っている姿勢が伝わり、以後の関係が円滑になる。 さて、物盗られ妄想に対して薬を処方して二度目以降の診察であるが、本人に
行方不明となる認知症高齢者の増大、介護離職、待機老人問題、介護職員の人材不足…介護にまつわる話題が注目を集めている。『週刊東洋経済』5月17日号の特集「誤解だらけの介護職」でも、大々的に取り上げられている。 来年度改正予定、介護保険制度のポイントとは? 今国会では、介護保険法改正を含んだ医療・介護総合推進法案が目下審議中である。政府は、介護保険制度の改正を来年度に行うことを目指している。介護にまつわる主なポイントは、2025年を目指して地域包括ケアシステムの構築を推進することと、利用者負担の公平化である。 地域包括ケアシステムとは、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で生活できるよう、地域で医療・介護・介護予防・住まい・生活支援が一体的に提供される体制のことである。 これらのポイントのうち、利用者負担の公平化については、やむを得ないとする声が強いようである。65歳以上の高齢者(介護保険では第1
心の病について、良くある誤解について書いてみます。 心の病とは、私の理解するところでは、病が原因で心に症状が出る事を指します。しかし、世間的には、心が原因で病になるかのように表現されています。これは真逆の解釈です。 例えば、いまだに言われるのはメランコリー親和型神話です。 メランコリー親和型とは精神病理学の分野で確立されてきた概念で、几帳面で、真面目で、責任感が強く、人に合わせるタイプの、いわゆる社会的に望ましい性格の人ですが、そういう性格は鬱になりやすいという、数十年前にもてはやされた説です。この時代に教育を受けた医師(大抵非専門家産業医)は、まことしやかにメランコリー親和型について唱え、「もっといい加減に生きよう」、「ポジティブに考えよう」みたいなことをでっち上げます。 結論から言えば、それは神話です。メランコリー親和型の方と、そうでない方で、うつ病になる確率が違うという根拠は
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