大介護時代の今、全国各地のハローワークでは、労働人口の受け皿として介護ヘルパー資格の取得を後押しするべく、無償の講習を行うなど補助事業を大々的に展開している。気がつけば昨日まで普通の主婦だった女性が、今日は介護ヘルパーを名乗っているような状況だ。 急速に拡大する市場に落とし穴はつきものだが、介護市場における被害者は従事するヘルパーばかりとは限らない。膨張するヘルパー人口ゆえに、なかには手癖の悪いヘルパーも数多く紛れ込んできているという。 今回紹介するのは、振り込め詐欺よりも巧妙な「略奪ヘルパー」に食い物にされた、ある老婦人の悲劇である。 東京文京区・西片の閑静な住宅街で“事件”は起きた。古い家に老婦人Aさんが一人暮らしをしていたが、もともと互いの生活に干渉しない屋敷町ゆえに異変が起きても長い間気づく者はいなかった。 長らくAさんの姿は見かけないが、朝昼晩と頻繁に出入りする中年の女性がいたた