高橋まつりさんの過労自殺を発端とした電通の違法残業事件で、労働基準法違反の罪に問われた同社の初公判が9月22日、東京簡裁で開かれ、即日結審した。検察は50万円を求刑した。 閉廷後、裁判を傍聴した、まつりさんの母・幸美さんが厚労省記者クラブで会見を開き、「(娘はかえって来ないので)非常に複雑だが、感慨深い心境があった」と内心を語った。 裁判には山本敏博社長が出廷し、幹部3人が過労自殺したまつりさんを含む従業員4人に、違法残業をさせたことを認め、反省とお詫びの言葉を述べた。これに対し、幸美さんは「電通は、娘が入社する前にも(労働環境改善についての)立派な計画を発表していました」「遺族としては、にわかに今日の社長の言葉を信じることはできません」と厳しい表情で語った。 記者から裁判の中で印象的な場面は、と問われた幸美さんは「電通のずさんな労働時間管理や認識の甘さ、おざなりな対応で(まつりさんが)亡
障害者の成年後見人となった司法書士が、受給できるはずの年金の手続きを放置するなど職務を怠り、裁判で損害賠償を命じられるケースがあった。家庭裁判所が昨年、財産横領などで後見人を解任した数も255件にのぼり、後見人の不適切な対応が目立っている。 松江市の司法書士、伊藤崇さんは2014年2月、同市内の高齢者専用賃貸住宅に住む男性(62)の後見人になった。家裁への定期報告の遅れを複数回指摘され、裁判官の審問を2度受けた前任の司法書士が辞任したためだ。 伊藤さんが訪ねると、交通事故に遭い脳に障害が残る男性は、起きている時間の大半を介助用車いすに座って過ごしていた。食事はできず、胃ろうから栄養をとっていた。通帳を調べると、家賃や光熱費のほか実際は食べていない月4万5千円の「食費」が預金から引き落とされていた。 前任者は施設をほとんど訪れず、手続きをすれば男性が受給対象になる障害年金の手続きもしていなか
8月末、朝日新聞が美容目的での使用に疑問を投げかける記事を掲載したことで話題となった医療用医薬品の血行促進・皮膚保湿剤「ヒルドイド」。厚生労働省の公開データをAnswersNewsが分析したところ、2014~15年度にかけてヒルドイドなどの「ヘパリン類似物質」の処方が大きく増えていたことがわかりました。 増加の要因は明らかではありませんが、処方が大きく伸びているのは20~50歳代の女性。処方量の増加により、医療費は60億円押し上げられました。公的医療保険財政が逼迫する中、処方する側、される側、双方にモラルとコスト意識が求められています。 処方量14年度→15年度で17%増 8月31日、朝日新聞デジタルに「高級美容クリームより処方薬 医療費増、乏しい危機感」との記事が掲載されました。 「美容には、何万円もする超高級クリームよりも、医療用医薬品『ヒルドイド』がいい――。 ここ数年、女性誌やウェ
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