介護保険は三年ごとの介護報酬改定に伴い、二〇一八年度からまた制度が変更される。今回の改定では、介護の必要性が比較的低い「軽度者」向けサービスで質の低下が懸念されている。これに対し、日本がモデルとしたドイツの介護保険は、軽度者重視の改革を行い、制度に対する国民の信頼度を上げている。現地視察を続けている旭川大特任教授(保健・福祉行政)の山崎摩耶さんにドイツの現状を聞いた。 (白鳥龍也) ドイツでは日本より五年早い一九九五年に介護保険がスタート。山崎さんは厚生省(当時)の審議会や検討会委員を務めて日本の制度創設に関わり、ドイツ国内の視察も続けてきた。昨年九月と十一月にも現地で最新事情を調べた。 山崎さんによると、ドイツの介護保険も開始以来数回の見直しを実施。特に、二十年の節目として二〇一五年から一七年にかけては「介護保険強化法」を定めて抜本改革に取り組んだ。その目玉の一つが、軽度者支援の強化。