岸田文雄首相は17日の記者会見で、少子化対策に関し「時間との闘い」と強調した。政府が対策に乗り出してから30年。有効な手を打てずに少子化は加速し、昨年の出生数は見込みより11年も早く、統計開始以来初の80万人割れとなった。近未来に人口が激減する社会が到来するのは避けられず、識者は少子化対策とともに、社会機能を維持する対策の必要性を指摘する。(井上峻輔)
新型コロナウイルス感染者や感染疑いのある人が、医療機関を受診しようとした際に「対応していない」と言われ診療を断られる問題を巡り、神奈川県は、五月に感染症法上の位置付けが二類相当から五類に変わった後に診療拒否があれば、医師法で定める「医師の応召義務」に違反する可能性があるとの見方を示した。一日の県議会厚生常任委員会で、足立原崇・医療危機対策本部室長が答弁した。 一類や二類など危険性の高い感染症の場合、応召義務から除外するとの通知が厚生労働省から出ており、足立原室長は「二類相当の現状では応召義務違反に当たらない」とした上で、「五類に移行したらこの規定から外れる。『診療しない』とは言えないと理解している」と答弁した。
マイナンバーカード普及のため政府が掲げる「健康保険証廃止」方針。厚生労働省は同カードを保険証として使用する際、受診時に毎回提示を求め、オンラインでの資格確認が必要だとする見解を示している。従来の保険証の場合、初診時や再診時の月1回の確認だけで済んでいたが、患者側、医療機関側双方の手間が増えることになる。いったい何が狙いの「毎回提示」なのか。 (特別報道部・山田祐一郎) 「月1回の確認で十分ではないか。再診でも毎回、確認していたら現場は混乱する」。千葉市緑区の「ドクターケンクリニック」では今年8月に顔認証付きのカードリーダー(読み込み機)を導入し、マイナンバーカードと一元化した保険証を利用できるようにした。マイナ保険証のオンライン資格確認について、中村健一院長が苦言を呈する。
介護保険制度の3年に1度の見直しで、厚生労働省の社会保障審議会が要介護1、2の訪問・通所介護を介護保険制度の給付から外し、市区町村の事業への移行を検討していることについて、介護関係者や識者から批判が出ている。専門資格のない人の介護で、利用者の状態悪化につながる恐れがあるからだ。自治体側の受け皿も整っていない。(井上峻輔) 「安上がりの制度に移行し、給付を削減するのは言語道断だ」。「認知症の人と家族の会」の花俣ふみ代・副代表理事はこう指摘した。花俣さんは、介護制度見直しを議論する審議会の委員を務めている。 厚労省は10月末、審議会に利用者の負担増や給付抑制につながる論点を提示。この中に、要介護1、2の訪問・通所介護サービスを市区町村が行う「介護予防・日常生活支援総合事業」(総合事業)に移行する検討を盛り込んだ。12月にとりまとめを行う。
島津製作所(京都市)製の医療用エックス線装置を巡り、子会社の島津メディカルシステムズ(大阪市)熊本営業所の幹部社員が、熊本県内の公立病院に納入した装置に回路を遮断するタイマーを仕掛け、故障を装って部品を交換した問題で、同社が県内の他の医療機関を含め、計5件の同様の不正行為をしていたことが、本紙の取材で分かった。 熊本県によると、島津側は30日午後、県にこれまでの調査状況を報告する。県の担当者は取材に「島津から『調査途中だが不正の数が増えた』と報告があったと、厚生労働省から県に連絡があった」と説明。厚労省によると、29日に島津側が経過報告に来て「計5件の不正が見つかった。さらに調査を進めている」と報告した。患者の健康被害などはないという。 この問題では、熊本営業所の幹部社員が2017年9月、公立病院で年1回の定期点検をした際、「エックス線管球」と呼ばれる主要部品の回路を遮断するタイマーを
島津製作所(京都市)が製造した医療用エックス線装置を巡り、保守と販売を担う子会社の島津メディカルシステムズ(大阪市)熊本営業所の幹部社員が、熊本県内の公立病院に納入した装置に回路を遮断するタイマーを仕掛け、故障を装って部品を交換していたことが本紙の取材で分かった。病院は交換修理費として200万円超を支払った。島津製作所は社内調査していることを認め、自社のホームページに「事実関係が明らかになり次第、しかるべき対応を行う」とのコメントを出した。 両社の関係者は25日、この病院を訪れて謝罪し、概要を説明した。営業所を所管する熊本県は、メディカル社などから聞き取りをする考えを示した。病院を運営する自治体は、代金の返還を求めることも視野に検討するとした。 部品を交換していた装置は、エックス線で体内を撮影しながら映像を見られる「エックス線テレビシステム」で、この病院には2009年に設置された。関係者に
新型コロナウイルス対策のマスク着用について、日本医師会の中川俊男会長が「ウィズコロナで、マスクを外す時期が日本に来るとは思わない」と発言し、波紋を広げた。新型コロナとの共存を模索する中、欧米ではマスク着用の義務が緩和されつつあるが、日本ではいつまで着用を続けるのか。議論が始まりつつある。(沢田千秋、原田遼) 中川氏は20日の記者会見で「マスクを外すのはコロナが終息した時。疫学的な調査をし、終息すると分かったら、初めてマスクを外していい」などと述べた。後藤茂之厚生労働相も22日の会見で「着用は極めて重要。(緩和は)専門家の意見を聞きながら検討していく」と慎重だった。 感染拡大初期から、政府や専門家はマスク着用を推奨し、国内では、無症状者も含め全員が着用する「ユニバーサルマスク」が浸透した。一方、マスクへの抵抗感が強い欧米では一時期、罰金などを設けて義務化したが、「脱マスク」の動きがみられる。
東京都の小池百合子知事は28日、都庁で報道陣の取材に応じ、新型コロナウイルスの新規感染者数が27日に過去最多の2848人となり、増加傾向に歯止めがかからないことについて「ワクチンを、ぜひ若い方も打っていただきたい」と接種を呼び掛けた。 小池知事は、ワクチンを受けた高齢者が感染し重症になる割合が大幅に低下していることに言及した上で、「逆にワクチンを受けていないけれど、重症、中等症になる若い世代が増えている」と指摘。「若い方々の行動パターンが、鍵を握っている。自分がよければではなくて、結果として人にうつすと、医療体制が逼迫(ひっぱく)する。去年の夏も、年末も、お正月も、ゴールデンウィークもなく、ずーっと頑張っている医療従事者のことも考えていただきたい」と協力を訴えた。 医療体制にかかっている負荷についての認識については「基本的に、3つの柱でやっている。自宅、ホテルなどの宿泊療養施設、そして病院
「重症で病院に運ばれてくる自宅療養者が出てきている」。県立循環器呼吸器病センターの小倉高志副院長は、既に療養者への支援が十分に届いていない人がいる現状を指摘した。さらに「悪くなってから助けるのはきつい」と、療養者の自己管理に任せて事態が悪化することに危機感を示した。訪問診療によるフォローなど「何か対策を検討してほしい」と求めた。 「かなり危険だ」。複数の参加者から異論が出たのは、自宅療養者のうち「ハイリスク者」として県の重点観察の対象となる人を、血中酸素飽和度が93%以下の人に絞ったこと。一般の人は98~100%で、県によると、93%以下は呼吸不全の状態に近い。 しかし、畑中洋亮・県医療危機対策統括官は「搬送先が少なく受け皿がない。県職員の業務量も増え、ハイリスクの人にしか手を打てない」と、病床と人材の両面が切迫していると訴えた。阿南英明・県医療危機対策統括官も「80代の人を(自宅に)とど
東京都は9日、新たに224人の新型コロナウイルス感染者が報告されたと発表した。1日あたりの人数では4月17日の206人を上回り、過去最多を記録。累計感染者数は7272人になった。小池百合子知事は都の対策本部会議で「検査件数が増えていることが影響しているが、感染者数の動向にはさらなる警戒が必要だ」と警戒を強めている。(小倉貞俊、松尾博史) 都によると、感染経路が判明しているのは120人。内訳は新宿区や豊島区の接待を伴う飲食店の従業員や客が63人、友人らとの会食が14人など。最近目立っている夜の繁華街関連は感染経路が不明・調査中を含めると74人に上ったが、全体に占める割合は3割強にとどまった。経路不明・調査中は104人で、100人を上回ったのは4月18日以来。感染経路も多岐にわたっており、市中での感染拡大の懸念がさらに高まる形となった。 年代別の最多は20代の109人。30代以下が全体の8割を
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