本格的に普及したのは戦後からですが、その原型は戦前・戦中期にありました。 終身雇用制とは、会社が労働者を入社から定年まで雇い続ける、日本特有の雇用慣行です。 現在もほとんどの日本企業が、正社員に対してこの終身雇用制を保障しています。 同じ会社で真面目にコツコツ働き続ければ、一生食うには困らない。 こうした長期雇用の慣行はいつ頃できたのでしょうか。 戦前からすでにあったのでしょうか。 実は、終身雇用制が本格的に普及したのは戦後になってからでした。 しかし、その原型は戦前・戦中期を通してつくられてきたといえます。 もともと、戦前の日本は労働者の移動が激しい社会でした。 特に、工場で働く労働者たちは、熟練工になるとすぐに、より給料の高い職場へ転職してしまいました。 そこで、会社は優秀な人材を引き留めるため、様々な奨励制度を考えます。 勤続年数=年功に応じた昇給、積立式の退職金、手厚い福利厚生など