安藤さん、第一球ありがとうございます。なんだか、打ちやすいように配慮していただいたような… まず、解雇をはじめ、労働契約関係全体に対する法的ルールの在り方を考え直さなければならないという問題意識は共有していると思います。短期雇用を繰り返し、一般に低賃金でキャリア形成の機会が少ないという「非正規労働者」と、長期雇用とキャリア形成の機会を享受できることが普通である「正規労働者」の二分法を改めようという機運は政策の対応にも見えるのですが、どのような方向があるのかについて共通認識がないようですね。 政策にも深く関与しているある労働法学者は「中期雇用」という概念を提示していますが、これもそうした状況における一つの試みだと思います。 さて、 安藤さんの見解のポイントを、「正社員は確かに既得権を有しているが、それは十分に合理的な理由のあることであって、それを奪うには原則として意を尽くした説明と合意形成が