外国の国家元首を、他国の人間が批判することは気が引ける。その国家元首を選挙という正当な手段で選んだ国民まで批判してしまうのではないかと思ってしまうためだ。しかも、私事で恐縮だが、記者はその国に留学し、多くの人から親身に接してもらった経験がある。だが、今回ばかりは、どう考えてもおかしい。 韓国の朴槿恵大統領のことだ。韓国・中国に批判的な人からすれば、「何をいまさら」だろう。しかし、どんなにひいき目に見ても、最近の朴槿恵大統領は他国の指導者ながら、心配になってくるほど迷走している。 大統領就任以来、迷走に次ぐ迷走 就任して以来の韓国政治、朴大統領の迷走ぶりを、以下に見てみよう。 まず政党の解散を求めたことだ。2014年12月19日、韓国の憲法裁判所(最高裁判所に当たる)は韓国政府が「違憲政党審判」を請求していた統合進歩党に対し違憲判決を下し、即日解散を命じた。韓国の憲政史上、政党に解散を命じた